十条銀座博物館 第4期展・阿波踊り大会の記録からⅡJUJO GINZA READINGS

公開日:2008-10-21十条銀座博物館 第4期展・阿波踊り大会の記録からⅡ

十条銀座博物館

十条銀座の商店街事務所には、戦前からの長い歴史を物語る商店街の古い記録が多数保存されています。
役所に提出した文書はもちろん、ポスターやチラシ、記念品、粗品のサンプルなどなど、今となっては大変貴重で懐かしいお宝が、倉庫の片隅にひっそりと眠っています。
このコーナーでは、そうした資料を少しずつご紹介しながら、商店街が歩んで来た道をちょっと振り返ってみたいと思います。

 今回は、前回に続き、昭和40年代に夏の恒例行事だった十条銀座・阿波踊り大会についてご紹介いたします。
前回は第1回、第2回大会が実施されるまでの経緯を中心に、関連資料をご紹介いたしました。今回は第2回大会実施の様子やその反響、また、第3回大会以降の資料も少しご紹介いたしましょう。


◆ 大規模な阿波踊り大会は、昭和43年の第2回大会が初めてのこと。どのように大会を実施すればよいのか、手探り状態ながら綿密な計画が練られたようです。
たとえば、踊り手たちの移動コースは何度も書き直され、最終的には下の写真のような行動計画表ができあがりました。

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◆ 駅前から出発してロータリーの周りをぐるぐるまわる隊列のほかに、フジサンロードを出発して四間通りを回り、アーケード北口から駅前に向かう隊列もありました。
参加団体は10余りの連から約200名。その他に個人参加も加わり、大勢の「踊る阿呆」と「見る阿呆」で賑わったようです。

◆ 43年大会スナップ ◆

◆ 43年大会スナップ ◆

当時の主な参加団体名

菊栄会 20名
王子信用 30名
南友会 5名
三つ葉会 10名
柴田社中 20名
宮内社中 10名
豊城裕川社中 18名
東グループ 15名
十条白扇会 20名
岡社中 10名
               わかよし会 30名
               ほか

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◆ 当日は、夕方から「日活俳優チャリティーサイン会」などのイベントも実施したそうです。
また、駅前に設置した仮設舞台では「ハイハイミュージック」「ロマンスガールズ」ら芸能人(?)も出演したとの記録あり。共催イベントで阿波踊り大会を盛り上げました。

◆ さらに資料の中には「十条小唄」と題する譜面が入っており、おそらく阿波踊り大会で使用したのでしょう。
もしかするとオリジナルのテーマ曲として、こしらえた曲かもしれませんね。ご存知の方がいらっしゃればご教示ください。よろしくお願いいたします。

◆ 十条小唄の譜面(部分) ◆

◆ 十条小唄の譜面(部分) ◆

作詞:柄沢芳枝   作曲:玉山英光

作曲者は中十条みどり幼稚園の元園長。愛子様で有名になった
「ひげじいさん」などの童謡も手がけた作曲家です

◆ こうして昭和43年の第2回大会は大成功をおさめ、無事に終了。翌日の新聞にも阿波踊り大会の記事が掲載されました。

◆ 読売新聞・城北版(昭和43年7月11日) ◆

◆ 読売新聞・城北版(昭和43年7月11日) ◆

◆ 決算報告(部分) ◆

◆ 決算報告(部分) ◆

◆ 領収書 ◆

◆ 領収書 ◆

なんと収支は黒字決算で、剰余金の一部は北区社会福祉協議会に寄付しています。
そして残りの剰余金を放送設備の新設費用に充当しているのです。実は商店街の中に有線放送を配して各店舗のCM放送を流すようになったのは、このとき新しい設備を導入してからのようです。

◆・・・大きな反響、黒字の決算、しかし反省会では来年に向けて「今後の課題」が11項目にわたり議論されました。大成功に浮かれることなく厳しい目で見直す姿勢が大切ですね。
議論の結果、来年は8月に実施する、期日を2日間とする、近隣商店街にも参加を呼びかける、などの項目が課題として確認されました。
これらのことは、早速翌年から実行されることになるのですが、詳しくはまた次回にお話しましょう。


今回も昭和43年7月10日開催の十条銀座「第2回・阿波踊り大会」について資料や写真をご紹介してまいりました。

次回も「阿波踊り大会」に関する資料などをまとめて展示する予定です。
どうぞ、おたのしみに。

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