公開日:2011-06-21十条銀座博物館 第13期展・昭和のちびっこ大会
平成23年6月22日
十条銀座の商店街事務所には、戦前からの長い歴史を物語る商店街の古い記録が多数保存されています。役所に提出した文書はもちろん、ポスターやチラシ、記念品、粗品のサンプルなどなど、今となっては大変貴重で懐かしいお宝が、倉庫の片隅にひっそりと眠っています。このコーナーでは、そうした資料を少しずつご紹介しながら、商店街が歩んで来た道をちょっと振り返ってみたいと思います。
今回は「ちびっこ縁日」の歴史を振り返ってみたいと思います。十条銀座では、毎年5月5日に「ちびっこ縁日」を実施しておりますが、今年、平成23年は震災の影響で、残念ながら中止となってしまいました。
商店街の先輩方より、かなり以前から続いているイベントと聞いていたのですが、実際に調べてみると、少なくとも昭和47年以降は毎年欠かさず実施していることが分かりました。
実に38年間、ずっと続いていたイベントだったのですね。
たいへん歴史あるイベントを中止するのは残念なことですが、来年は何とか復活させたいと思います。そこで、今回は昭和のちびっこ大会・ちびっこ縁日を紹介いたします。
◆ 十条銀座の「ちびっこ大会」(現・ちびっこ縁日)は、仮面ライダーとともに始まりました。
それまで、例年ゴールデンウィークは北区の商店街が連合で実施する統一セールなどを行っていたようですが、子どもの日に子どもが喜ぶ企画を、ということで新イベントが検討され、昭和47年5月5日に初めて実施されたイベントが「ちびっこ大会」でした。
◆ この年のゴールデンウィークは、まず4月27日に「霧にむせぶ夜」で当時人気を博した歌手・黒木憲が、キャンペーンのため十条銀座を練り歩き、大勢のファンが集まりました。
仮面ライダーショー、そして握手会さらに仮面ライダーや怪人たちと記念撮影!
もちろん、ちびっこたちは大興奮でした。
ボクらの町にライダーがやって来る!
ライダー・怪人との記念撮影にはちびっこたちの長い行列が出来ました。
「こんなに大勢子どもたちが集まるとは!」当時、事業部長だった金子章氏も予想外の大混乱ぶりに嬉しい悲鳴。←撮影台では、緊張してちょっとビビリ気味の少女がかわいい。
この時の新聞折込チラシは、仮面ライダーがオバQをキックしているイラストだったらしいのですが、そのチラシが現存せず、実に残念です。
どなたか保存していませんか?
◆ ちびっこ大会の大成功を受けて翌年、昭和48年5月のちびっこ大会でも仮面ライダーショーが開催されました。この年、放送がスタートした「V3」が登場。十条駅前はちびっこで埋め尽くされました。
◆ このほか、交通安全パレードや似顔絵描きコーナー、鼓笛隊の演奏などさまざまな催し物が実施されたようです。
◆ 続いて昭和49年は、仮面ライダーではなく、なぜか本物の動物たちがやってきました。
なんと、生きたトラを含む動物たちが十条駅前に大集合。今では有り得ない企画を断行。
その時の写真をご覧ください。
◆ 臨時に開業した「十銀動物園」で、ちびっこたちは動物とふれあい、大喜び。
◆ そして、廃車になった自動車をちびっこ全員で解体するというスゴイ企画もありました。その時の様子がこちら。会場はフジサンロードです。
で、最終的には、こんな感じです。ホントにバラバラにしたのですね。
これ以外にも、カエル・エビガニつかみ取り大会などが開催されました。
今回は昭和47年~49年の「ちびっこ大会」についてご紹介いたしました。
現在では考えられない奇想天外な企画や、許可されないような内容をどんどん実施した時代。当時も実際には色々と苦労もあったようですが、世の中がまだまだ全体的に寛容だったことも事実でしょう。
昭和の「ちびっこ大会」は、このあとも様々なイベントを実施していきます。
また次回、詳しく続きをご紹介したいと思います。