十条村役場13.北本通り・尾長橋から神谷橋を歩くJUJO GINZA READINGS

公開日:2006-03-29十条村役場13.北本通り・尾長橋から神谷橋を歩く

十条村のハシからハシまで①旧下十条・豊島村境

毎度、十条村へお越しいただき誠にありがとうございます。
今回は「観光課だより」らしく、十条村の中を少し歩いてみることにいたしましょう。これからご案内するのは、十条村と隣の村との境界線。村の一番外側にあたるところでございます。きっと十条村の範囲が、意外に広かったことを実感されるのではないでしょうか。


◆ ご存知でしたか? 現在の王子3丁目・4丁目・5丁目の多くは、かつて下十条村に属しておりました。十条村は、とても大きな村だったのでございます。おおよそ今の北本通りを境にして、下十条村は豊島村と接しておりました。今日は手始めに、豊島村と下十条村の境目をご案内いたしましょう。

 

村境地図

◆ 村境地図 ◆

◆ 下十条村と豊島村の境界は、現在の王子3丁目交差点あたりからスタートします。近くに区立中央図書館や王子警察署などがある交差点で、コの字型の大きな歩道橋は「尾長橋歩道橋」といいます。むかしこの交差点には都電(市電)の「尾長橋」停留所がありました。また戦前は、現在の南大橋から王子警察署前の道を、十条と豊島の軍事工場を結ぶ軍用貨物列車が走っており、この交差点で路面電車の線路と交差していたそうです。

 

◆ 尾長橋歩道橋 ◆
地図をご覧いただくとお分かりのように王子3丁目交差点付近は、かつて下十条村・豊島村・王子村の3か村が接する村境でもありました。

 

◆ さて、下十条村と豊島村の境目は、交差点の手前から北本通りを斜めに突き抜け、折り返して再び大通りを横切ってから、ほぼ北本通りに沿って王子5丁目団地へと伸びておりました。

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◆ 旧村境の路地 ◆

ここから王子3丁目郵便局の前を通り、北本通りへ抜ける短い路地が村境です。

murazakai2◆ 王子3丁目バス停付近 ◆

以前から不思議な空間だと思っていたのですが、村境だったのですね…。

北本通りを渡って、レンタルビデオ店の角を 右に入る路地。この道も村境でした…。

北本通りを渡って、レンタルビデオ店の角を
右に入る路地。この道も村境でした…。

そのビデオ店の裏から北本通りへ出る路地 というより、すき間でしょうか…。 ここも村境です。

そのビデオ店の裏から北本通りへ出る路地
というより、すき間でしょうか…。
ここも村境です。

◆ 王子5丁目団地や旧桜田小学校、桜田中学校などの施設がある一帯は、ご存知のように王子製紙の工場があった場所でございます。現在の神谷堀公園が、甚兵衛堀(神谷堀)という水路だった当時は、隅田川(旧荒川)から王子製紙の工場内まで堀が伸びておりました。

そして王子5丁目交差点の場所には大坊橋(大防橋・でっかんぼうばし)という橋が甚兵衛堀にかかっていたそうです。また北本通りができると、大坊橋とは別に「神谷橋」という橋が甚兵衛堀にかけられました。いまの王子5丁目交差点の場所に「神谷橋」という都電停留所があったのをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。

 

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◆ 王子5丁目交差点・庚申観音堂・神谷堀公園 ◆

今は地下鉄「王子神谷」駅ですが、昔は都電「神谷橋」駅があった交差点。ここから東へ伸びる庚申通り商店街の入口に立つ庚申観音堂。かつての甚兵衛堀は、現在その一部が神谷堀公園となっています。それにしても「王子神谷」という駅名は村の名前からすると、ちょっと乱暴でしたね。ここは神谷村と豊島村と十条村の境界だったのですから…。

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◆ 大坊橋(大防橋)跡 ◆

でっかんぼう橋の跡は最近まで残っていたのですが、今は説明板がひっそりと立つのみ。
この奇妙なコンクリートも橋の残骸なのでしょうか?
個人的には「王子神谷」という駅名よりも「でっかんぼう橋」のほうがピッタリだと思うのですが。

大坊橋については、こちらをご参照ください(北区文化財説明板)↓

http://www.city.kita.tokyo.jp/hakubutsukan/rekishi/fureru/bunkazai/kamiya/daibobashi.html


今回は下十条村と豊島村の境目を歩いてみました。
次回もまた、十条村のハシっこを訪ねてみることにいたしましょう。
またのお越しをお待ちいたしております。

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