公開日:2004-10-17十条村役場5.十条の小さな神社~なぜそこに祀られているの?
本日も十条村へお越しいただき誠にありがとうございます。今回は、十条の小さな神社に注目してみたいと存じます。小さな神社というのは、例えばお冨士さん。
それから日枝神社(十条仲原2丁目)や御岳神社(上十条5丁目)などのことです。こうした小さな神社がなぜその場所にまつられているのか、そのワケについて考えてみることにいたしましょう。
◆むかし十条村と呼ばれていた頃、十条には小さな神社がいくつも祀られていました。しかし、そのうちの多くが他の神社と合併されたり、取り払われたりして、失われていきました。いまでは半分、あるいはそれ以下になってしまったものと思われます。こうした小社は、実は必要があってその場所に祀られたものでございます。さて一体どんな必要があったのでしょうか。…
◆十条村には、かつて「ズシ」と呼ばれる集落がいくもあって、それらが寄り集まってひとつの村になっていた、というお話を以前いたしました。「ズシ」には、それぞれ「ズシ」ごとに集落の出入り口となる場所が決められており、実はその出入り口付近に魔除けの目的で小さな神社が祀られたのでございます。昔の村人たちは、人間だけでなく、神仏も悪霊もみな道を歩き、出入り口を通って集落にやってくると信じていたのですね。
←集落の出入り口は、ひとつだったり二つあったり、
ズシによって色々でした。
小さな神社が祀られたのは、そういう場所でした。
◆ですから、集落ごとに祀っていた神社は、その集落の内側ではなく必ず外側、あるいは集落と外側との境目にあるのでございます。例えば十条仲原2丁目の日枝神社は、「横丁三塚」と呼ばれたズシ(後の仲原町会)の出入り口に当たる場所に祀られたものです。また中十条2丁目の冨士神社は「仲才」というズシの出入り口、上十条5丁目の御岳神社は「新堀」ズシの出入り口に当たるのでございます(但し現在の御岳神社は移転後の場所)。
※ この他、十条村時代の集落と神社の位置関係については別ページの地図をご参照ください。★印が小社です。
※ 馬坂交番の隣にある八雲神社は、もともと西音寺の鎮守社だったものが、この場所へ移転して来たものです。
この神社だけは例外的に集落の内側にあります。また個人持ちの神社(屋敷稲荷など)も同様です。
今日は十条の小さな神社のお話をいたしました。
そして、なぜそこに神社が建っているのか、その理由にも触れてみました。
次回は十条の古い石地蔵についてお話いたしましょう。
石地蔵がなぜそこに立っているのか。その訳も実は今日のお話と深い関係があるのでございます。
どうぞ、またお気軽にお越しください。お待ちしております。